1秒も飛ばさず見てほしい。隠された宝箱が次々と現れる。時折、この美青年からカメラへと飛ぶ目線に、諦めと悔いの混じった覚悟が読み取れて、それだけでもご馳走だ。中盤からエスカレートする言葉責め（言葉一粒一粒の押し引き）と、それでも喰らいつく彼の豪胆さ・粘り強さ、めくるめく体位のバリエーションと、それらを残さず記録するダイナミックな画角のどれもが素晴らしい。全編通して見て、もう一回見直すと、冒頭で扱かれて微かに漏れる彼の「気持ちい」という呟きだけを頼りに組み立てた、緻密で繊細なエロスだということが分かる。傑作。